仮想通貨の会計処理について

これまで仮想通貨の会計処理の理論的背景について見てきましたが、今回は仮想通貨についての具体的な会計処理を見ていきたいと思います。

 

仮想通貨取得時の会計処理

(設例1)

仮想通貨交換業者(*1)B社は0.01BTC(*2)の仮想通貨を保有していた。A社は、B社からビットコインを0.01BTC購入した。

なお、ビットコインのレートは下記の通りである。

・保有時レート:0.01BTC=3,000円

・購入時レート:0.01BTC=5,000円

 

A社の処理

仮想通貨 5,000円/現金 5,000円

 

B社の処理

現金 5,000円/仮想通貨 3,000円

仮想通貨売却益 2,000円

 

*1 仮想通貨交換業者とは、金融庁・財務局に登録を行なったうえで日本国内居住者向けに仮想通貨取引サービスを提供している企業のことです。

*2 BTCは、ビットコインの通貨単位。

【解説】

仮想通貨交換業者にとっては仮想通貨の売却となるため、時価と簿価との差額2,000円が売却益となります。

 

仮想通貨売却時の会計処理

(設例2)

A社は設例1で取得したビットコイン0.01BTCを現金6,000円で仮想通貨交換業者B社に売却した。

 

A社の処理

現金 6,000円/仮想通貨 5,000円

仮想通貨売却益 1,000円

 

B社の処理

仮想通貨 6,000円/現金 6,000円

【解説】

B社が既に仮想通貨を保有しており、保有している仮想通貨の単価と取得した仮想通貨の単価が異なる場合、取得後の単価の算定方法は実務対応報告38号にないため、移動平均法などを使います。

 

期末評価の会計処理

実務対応報告によれば、活発な市場が存在する場合と活発な市場が存在しない場合で処理が異なります。

活発な市場が存在する場合は、期末に時価による評価替えを行います。評価差額は当期の損益として処理します。

活発な市場が存在しない場合は、原則、取得原価による評価なので損益は認識しませんが、取得原価が処分見込価額より小さくなった場合は処分見込価額まで減損します。

 

〈期末の仮想通貨の会計処理のまとめ〉

貸借対照表価額 損益
活発な市場が存在する場合 市場価額 時価との差額は損益
活発な市場が存在しない場合 取得原価と期末の処分見込価額のうち小さい方 取得原価の場合:なし

処分価額の場合:処分価額と見込価額の差は損益

 

(設例3)

A社は5,000円で取得したビットコイン0.01BTCを期末まで保有している。ビットコインの市場価格は、0.01BTCである。

仮想通貨 1,000/仮想通貨評価益 1,000

 

いかがでしたか?

基準で見ると非常に難解な仮想通貨の会計処理も仕訳に直してしまえば、かなりシンプルに理解できると思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。